梅の原産地は中国です。日本には奈良時代またはそれ以前に伝わったといわれていますが、縄文遺跡から梅の種が出ています。そして、梅干しは平安時代ころにはつくられていたと思われます。
余談ですが、生梅の種を多量に積み上げておくと、熱をもち自然発火することがあります。植物の種でこうしたことが起こるのは、梅だけではないでしょうか。梅の種は、これほどのエネルギーを持っているのです。
永山久夫著『イラスト版 たべもの日本史』(河出書房新社によると、梅干しは、はじめは酒の肴だったようです。鎌倉武士が食事で食べるようになってから、現在のように食事につけられるようになったそうです。
「梅干しの酸味はクエン酸などの有機酸であるが、脳や胃などの消化器に対する覚醒効果が高く、食欲を増進させるのはもちろん、有事に対し、瞬時に対応できる生理的な条件を整える上でも、役に立った。」(前掲書)。
また、医学博士の牛尾盛保先生は、梅干しをくだもの」として、その栄養素の豊富さを指摘しています。
「梅の栄養価値の中でも、とくに注目に価する点は、たんぱく質が非常に多いということです。ついで灰分が非常に多いという点です。しかも、その灰分のうちで、カルシウム、リン、鉄の含有量が桁はずれに多いことです。
それから、有機酸含有量がほかのくだものと比較すると大変多いことも注目してよいでしょう。有機酸が多すぎるので、今まで加工上非常に困難があると見られてきました。この多すぎる有機酸と、多すぎる灰分を取り出して果汁をつくったならば、この果汁はわれわれの栄養飲料として、日本一理想的なものとして役立つことでしょう。」牛尾盛保『梅の効用』ヘルス研究所)。
この理想的な飲料を実現したのが、これからご紹介する「梅果紫蘇」なのです。
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| ■ 血液をサラサラにする |
ヒトは食事をすることで、身体のなかに栄養を取り入れます。栄養分は血管を通って、身体中の細胞に行き渡ります。すでにお話したように、昔の日本人は租食でしたから、血管にゴミがたまることはありませんでした。
ところが、現代日本人は、食べ過ぎであり、食べるものも酸性食品が多く、さらに身体を動かすことをしないため、血管にコレステロールというゴミがたまってしまいます。
私たちに迫られている決断は、一つは取り入れるものを少なくするか、もう一つは多くを取り入れたらその分出すか、の二つに一つです。前者は粗食の生活に戻すことです。みなさんは”一汁一菜”の生活に戻せますか? たぶん無理でしょう。
それではどうしたらよいのでしょうか?高速道路を考えてみてください。お盆の帰省ラッシュで”東名高速渋滞00キロ”という報道が毎年ありますね。道路がクルマでいっぱいになり、動かなくなるから渋滞が起こるわけです。血管のなかでも同じことが起こつています。
おいしい食事をして、あまり運動をしないために、血管のなかにコレステロールがたまるのです。では、コレステロールがたまらないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。
よく言われているのが「血液をサラサラにする」ということです。もちろん血液がサラサラになれば、流れはよくなります。そのためにいろいろなことが言われていますが、水を飲むだけでも血液はサラサラになります。
しかし、これでは十分ではありません。二つの理由があります。一つは気血水の「水」と関係してきます。水を飲むことで血液はサラサラになりますが、「水」 つまり体液はきれいになりません。水はH2Oですが、人間の体液は9H20なのです。これは原始の水と同じ分子構造だといわれています。もう一つの理由はこういうことです。血液がサラサラになれば流れはよくなります。しかし、流れの最後には必ず「出口」があります。出口からきちんとでることが重要です。
先ほど、「粗食の生活に戻せますか?」と聞きました。これは「入口」のことを聞いたわけです。入口から入るものが少なくなれば問題はないのです。しかし、それが無理であることは明らかですから、出口の問題を解決しなければいけません。
出口とは何を指すのでしょう。血管から栄養を受け取る場所ですから、細胞ということになります。細胞にどんどん栄養が送り込まれれば、血管がつまることはありません。
細胞のなかでは、血管から送られてきた栄養を燃やしてエネルギーをつくっています。燃やすためにはもちろん酸素が必要になりますが、人間が取り込める酸素の量は限りがあります。
現代のような食事をしていると、燃やすのに必要な酸素量が限界を超えてしまっています。そこで、何かの手助けを借りて燃やす必要がでてきます。それがクエン酸なのです。
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| ■ クエン酸の不思議なパワー |
話はいよいよクエン酸に入ります。クエン酸の研究については、イギリスの生化学者であるハンス・クレブス(1900〜1981)が行い、ノーベル賞を受賞しています。
昔から人々に食されている梅の有機酸は、疲労回復や若返りに効果があると言われています。クエン酸は有機酸の一種で、人間の活動に使われるエネルギーと深い関係があります。人間がエネルギーを燃焼するには、ある特定の「酸」が必要です。そのひとつがクエン酸なのです。
クエン酸の作用で細胞内の新陳代謝が活発になり、疲労回復には抜群の効果が得られます。反対に、なんらかの理由によってクエン酸が不足すると、この代謝活動はスムーズに働かず、疲労物質として名高い乳酸をつくります。これが肩こり、腰痛の原因なのです。血液の中に乳酸があまり多くなると、筋肉疲労と極度の緊張のため、一過性の興奮が起こり、骨格筋の痙攣が起こることがあります。これが俗に言う"こむらがえり"です。こんな時に有機酸(主にクエン酸)を補給してやりますと、最中の乳酸
を燃焼させ、エネルギーに転化させますので、血液は浄化されます。そして、血行が促進され、血がサラサラになるので、細胞の老化も防止できるのです。有機酸に疲労回復効果があると言われるのはこのゆえんです。
有機酸の効果はこれだけではありません。有機酸は高血圧の改善にも実に高い効果があります。
腸の働きを整えて便秘を解消したり、カルシウムの吸収速度を早め、骨租ー症の予防にもなります。また唾液の分泌を」亢進し、これに伴ってホルモン(パロチン)を誘導させる働きがあります。このホルモンは若返りの源であるといわれています。また、有機酸にはストレス解消効果もあります。有機酸を含む食品を摂ると食欲が湧いてきますが、これによって満腹感が得られると精神的に安定し、イライラの解消にもつながるのです。
さらに動脈硬化、肝臓病、腎臓病など、生活習慣とも密接に結びついた様々な病気を予防します。そして、毎日摂取することで、新しい細胞への変化がスムーズになり、身体は若々しい細胞で満たされ、活力も湧いてきます。そうした細胞が生まれかわる過程で水分の代謝(体内での利用と排泄)も促進され、水太りも解消できます。
こうして考えてくると、有機酸は身体の健康、精神の健康、美容と、様々な効果があるといえます。虚弱体質、不眠症、便秘、肌荒れなど、有機酸を摂取することが、毎日の習慣になれば高い効果が期待できます。
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| ■ ク工ン酸が豊富な梅果紫蘇(うめかしそ)
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このクエン酸を豊富に含む南高梅から、エキスをしぼった食品が「梅果紫蘇」です。この南高梅の果実に含まれる酸は、実にその98%がクエン酸なのです。
梅果紫蘇をつくるにあたって、さまざまな梅を調べました。
昔の人は梅干しを食べていたのだから、梅干しでも十分効果が期待できるものと考えました。しかし、梅干しにすると、クエン酸は外に出てしまうことがわかりました。粗食の生活であれば梅干しでも十分ですが、現代の食生活ではクエン酸の量が足りません。現代人は一日に大粒15個の梅干しを食べなければならないことがわかりました。そこで、生梅を使うことにしましたが、青梅ではクエン酸が少ないことがわかりました。完熟になってはじめて100ミリリットル中、3500ミリグラムというクエン酸量がでてくるのです。
次に、南高梅を使った理由をご説明します。まず第一に、南高梅のとれる和歌山県南部のものだけが果汁が多く含まれています。関東から北では、果汁が少ないため梅はカリカリになります。もちろん、果汁の多い梅ほどクエン酸が多く含まれています。その最高峰が南高梅なのです。
第二に、南高梅はふつうの梅ではないことがあげられます。杏と梅のかけあわせなのです。梅は海辺でとれる食品であり、杏は山の中でとれます。食性からみると、海辺の食品は身体を冷やす働き、山の食品は身体をあたためる働きをそれぞれもっています。南高梅だけは海山両方の性質をもっていますから、どちらの人が食べても食性のうえで問題はないのです。
このように、南高梅じたいは海と山両方の性質、身体をあたためる働きと、冷やす働きの両方をもっていますから、陰陽では陰でも陽でもない中庸ということになります。ただ、酸味ということから陰性になるため、陽性である紫蘇を入れて中庸にしているのです。
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| ■ 紫蘇は自然治癒力を高める
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「梅果紫蘇」には、クエン酸のほかに、紫蘇のエキスも入っています。紫蘇という名前は、昔中国で、中毒死寸前の少年を紫の葉で蘇らせたことからつけられました。日本でも、加藤清正が朝鮮に出兵したさい、ノイローゼになった武士に紫蘇を主とした漢方「香蘇散」を与えて治したという話があります。
現在では、アレルギーの体質改善として脚光を浴び、ガン予防のエースとしても注目されています。紫蘇のもつβーカロチンはピーマンの30倍、鉄分・カルシウムも他の野菜よりも多く、香りの素ペリラアルデヒトは、香りが強いほど有効性が高いとされています。また、学習能力低下を防ぎ、アレルギー性疾患や炎症性疾患をも抑制するといわれている油分・αーリノレン酸の宝庫でもあります。
古来より、漢方薬には、より薬効性が高い赤紫蘇が使用されてきました。梅果紫蘇も、同様に、赤紫蘇のうち、薬効成分が濃く含まれる先端15センチを使用しています。
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| ■ 梅干しとノーベル賞の意外な関係
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大正時代に来日した、前述のハンス・クレブスはさまざまな調査を行いました。彼が驚いたのは、梅干しだけ食べて車夫が人力車を引っ張っていたのです。そこで梅について分析したところ、梅のなかにクエン酸があり、血をきれいにすることがわかりました。
日本人は梅干しを食べることで、食べたものを全部エネルギーにしてしまうのです。クレブスはこうした研究をとおして、ノーベル賞を受賞しました。彼の研究のベースには日本の梅干しがあったのです。
ところで、クレブスがノーベル賞を受賞したとき、日本人はおもしろいことをしました。梅干しのクエン酸が血液をきれいにするということから、商売っ気を出して、お酢を売り始めたのです。お酢もすっぱいからクエン酸が入ってるのではないかと考えたのですね。たしかに、お酢のなかにもクエン酸は少し入っていますが、ほとんどが酢酸です。酢酸は、強い酸で陰性です。
湿布剤に酢を使用するのは身体を冷やす働きがあるからです。長期間使用すると冷え性を生み出します。中国でも、身体を冷やす必要のあるあたたかい場所または、食物を腐らせないために、料理に酸を使います。けっして飲むために使うことはありません。
昔の日本人は、殺菌するため、またはやわらかくするために酢を使いました。最近、酢を飲むという健康法がありますが、これは間違いです。
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